社会保険の被扶養者は、時短協力金を受け取っても被扶養者のままで大丈夫です

お金・税金

時短協力金セミナーで集中した問合せのひとつ、

「社会保険に加入している家族の被扶養者になっている自営業者が、

 時短協力金を受け取ったら、被扶養者を外れなければならないのか?」

について説明します。

時短協力金は考慮しません

答えは「被扶養者のままでOK」です。

つまり、時短協力金を1000万円近く受け取っていても、

被扶養者のままで良いということです。

結論だけ知りたいひとは、あとは読まなくてOKです。

時短協力金を考慮しない理由は、一時的な収入だから?

理由はちょっとややこしいので、以下はあくまで個人的な見解です。

社会保険における被扶養者の定義は、

健康保険法第3条第7項第1号に定められています。

一 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの

この「主としてその被保険者により生計を維持するもの」については、

基本的には被扶養者の「年間収入が130万円未満」とされています

(「収入がある者についての被扶養者の認定について(昭和52年4月6日保発第9号・庁保発第9号)」)。

そして、この判定は、社会保険の保険者である協会けんぽが行いますが、

その業務は年金事務所に委託されています。

年収130万円未満を12で割ると、108,333円なので、

被扶養者が給料をもらっている場合には、

給与の月額108,333円を超えると、

基本的には被扶養者を外れるとなります。

ところが、被扶養者が自営業者の場合には、話がややこしくなります。

自営業の月の収入は計算が難しいからです。

例えば、月の売上げ1000万円でも、経費が990万円なら、

収入は10万円ですし、月ごとの揺れもあります。

(しかも、年金事務所は引くことができる「経費」を

 所得税法とは別に独自に定めています。

 しかも年間収入は実績ではなく「今後1年間の見込額」です。

 それ、実際どうやって確認するのでしょうか?)

もとい、ポイントは、コロナによる時短協力金は、

年金事務所が定める収入に該当するか否か、です。

知人の社会保険労務士にもアドバイスを受けて、

東京の(笑)、年金事務所と協会けんぽに確認したところ、

どちらも「時短協力金は無視して良い」という回答でした。

その根拠は「コロナによる一時的な収入の増加だから」だそうです。

「被扶養者の収入の確認における留意点について(令和2年4月10日事務連絡全国健康保険協会あて厚生労働省保健局保険課通知)」

には以下の内容が周知されています。

3 今後1年間の収入を見込む際には、例えば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等と照らして、総合的に将来収入の見込みを判断すること。

4 確認に当たり、被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給又は恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その1年間のみ上昇し、結果的に130万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定を遡って取り消さないこと。

要するに、時短給付金は一時的な収入だから、無視するということですね。

回答者によって、

「時短協力金は一時的な収入だから」

「時短協力金は一時的なものであり収入ではない」

「時短協力金は労働の対価ではないから収入ではない」

という解釈の「幅」はありましたが、この考えていくと、

コロナ関連の助成金や協力金はすべて無視してよいのかなと感じました。

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