海外に移住したお客さまの納税管理人をしています。
納税管理人をしていてわかったことや、今年の納税管理人制度の改正内容を書きます。
納税管理人制度とは。
ざっくり言うと、
日本に申告・納税義務はあるけど、日本にいないひと(=非居住者と言います)がいます。
その非居住者や外国法人に代わって、申告などを行うひとを言います。
納税管理人は家族などでもなれますが、税理士などに依頼する場合も多いです。
納税管理人をしてわかったこと。
おもに非居住者の話になります。
非居住者は、確定申告書等作成コーナーでは、申告書の作成・提出ができません。
確定申告作成コーナーのご利用ガイドの「ご利用になれない方」の中の
所得税の「③その他」の上から4番目に、「非居住者」は使えないと書かれています。
一見無理やり出すこともできそうですが、非居住者は納税地が前住所や資産の所在地となり、
納税地≠現住所となるため、入力箇所がないので、作成ができない仕様になっています。
確定申告書等作成コーナーはダメでも、e-taxなら提出できます。
「1月1日の住所」欄があるので、納税地と住所地も(不十分ですが)記載できます。
しかし、納税管理人の住所や氏名を書く欄がありません。
仕方がないので、住所の後に「納税管理人住所」を無理やり記載しています。
氏名は、「屋号・雅号」の箇所に、納税管理人と前書きして載せています。
同様に、納付書の記載方法なども特に定められておらず、
実際に納付しようすると、「あれ?」となります。
このあたりはローカルルールで対応しているということかもしれませんが、
綺麗にしてもらえたら良いのにと感じます。
非居住者宛の税務署からの郵便物等は、納税管理人にすべて届くことになっています。
しかし、実際には非居住者の前住所に届いてしまうものもあります。
税務署に問合せたところ、
「国税庁から一斉送付する書類などは、そうなってしまうこともあります。
封筒に「受取拒否。納税管理人宛に送付してください」と記入し、
切手を貼らずにポストに投函してください」と言われました。
そんなんでいいのかとも思いますが、現状しかたがないようです。
あと、固定資産税など地方税の納税管理人は別途届出しないといけないようです。
忘れがちですよね。
2021年4月の改正内容
これまでは、納税管理人を届けなさいだけで、届けなかった場合の対応は特にありませんでした。
2021年4月から、納税管理人を届出ない場合には、税務署が納税管理人を指定できるようになりました。
指定できるから逃げられないよ、というのが改正のポイントになっています。
税務署が指定できる対象ですが、生計を一にする親族や特殊関係法人となっています。
その他に、納税者と税金について、契約により密接な関係を有する者、とあります。
これ、顧問税理士のことですよね?
個人の場合、非居住者と生計を一にする親族は海外に同行してる場合が多いと思うので、
指定できるのか親族が国内にいるのか、うまくイメージできません。
そうすると、なりなさいという指定が税理士に来るようになるのでしょうか。
顧問税理士ならともかく、確定申告を単発で依頼されただけとかの場合には、該当するのかな?
このあたりは、これから指定がどのように出るのかを見守っていきたいと思います。

今朝の海。
鏡のような水面でした。