キリスト教には、
収入の十分の一を捧げるという什一献金
(じゅういちけんきん)というものがあります。
このような宗教への献金は、
個人事業主の経費になるでしょうか。
什一献金の説明も、最後に書きました。
個人がする什一献金は寄附金控除にならない
結論から言うと、残念ながら税金は安くなりません。
なぜでしょうか。
確定申告には「寄附金控除」という制度があり、
国が認めた団体(学校や公益財団法人、社会福祉法人など)
への寄附金は、ほぼ控除できます。
これは、税金と同じとみなされるからです。
国が認めた団体は、直接であれ間接であれ、
税金で運営されている側面があります。
つまり、通常であれば、
「私」➡「国」➡「学校」
と流れる税金を
「私」➡「学校」
という流れで払ったと考えるからです。
でも、教会やお寺は、税金で運営してないですよね。
だから、同じ寄附金でも税金は安くならないわけです。
個人がする什一献金は接待交際費にならない
什一献金は、接待交際費にもなりません。
個人事業で認められる接待交際費は、
「業務の遂行上直接必要と認められるもの」だけだからです。
教会が得意先で、普段から教会に対する売上がある業者が、
教会にお祝い金などを贈ればそれは接待交際費ですが、
個人が行う什一献金とは性質が違いますね。
経費になる教会への寄附金もあります
経費として認められる寄附金もあります。
ひとつは「業務の遂行上直接必要で、
実際上拒絶できなかったと認められる」ものです。
例えば、地元で行われる夏祭りに対する町内会の寄附金などです。
得意先の教会から、イベントを行う寄付を断ったら
その後の仕事に支障があるような場合は、経費になるかもしれません。
それから、商品の販売時に、
「この商品の売上の〇〇%を、〇〇にいつ寄付します」と
広く周知をした場合には、
集客を目的とした広告宣伝の効果があるため、
寄付をした金額は、経費に算入が認められています。
コロナの医療機関への寄付が典型的ですが、
〇〇教会に寄付をすると周知をし、
それが広告宣伝の効果を有するならば、
理論上は経費にできることになります。
葬式の謝金は、名目が何であれ、
葬式費用として相続税の経費になります。
個人事業ではなく法人は、わずかではありますが、
相手に関わらず寄附金が認められます。
計算式は複雑なのですが、おおよそ利益の0.6%程度です。
100万円儲けたら、6,000円ですね。
什一献金とはなにか。
キリスト教でないひとからすると収入の十分の一を献金するなんて
怖い宗教だと感じますよね。
わたしも宗教にお金がからむと怖いと思うので
クリスチャンの立場から、什一献金がなにかを説明しておきます。
什一献金の考え方は、旧約聖書(ユダヤ教とキリスト教の共通の聖書)
に書かれています。
有名なモーセに神が告げたのが、
「地の十分の一は、地の産物であれ木の実であれ、
全て主のものである」(レビ記27:30)
この十分の一が祭司職をする部族の生活費になりました。
そのため、ユダヤ教では、収穫などの十分の一を
職業宗教者を通じて神に捧げるわけです。
ところが、新約聖書つまりイエス・キリストは、
什一献金をしなさいとは、明言してません。
しなくて良いとも言ってないのですが、
決まりじゃなくて心が大切だ、と繰り返し言ってますね。
なので、キリスト教の什一献金は、強制ではありません。
しなくても天国に行けることになってます。笑。
大切なのは、恵みを喜んで感謝して返すことができるかどうかで、
金額は関係ないわけです。
イヤイヤするならしなくて良いですし、
教会に献金しないで、被災地に募金しても良いです。
十分の一というのは、高いように感じますが、
要するに10%なので、地方税の税率と同じです。
キリスト教徒は天国にも国籍があることになってるので、
天国地方税の分くらいを神に返せるといいね、みたいなノリです。
今日、南部を走っていたら、懐かしい風景に会いました。
道にはみ出す背丈を有に超えるサトウキビ。
20代は南部に住んでいたので、
ウチのまわりはこんな感じでした。
だんだんこういう風景も減ってきましたね。