先日、税務署から「源泉徴収税額の納付届出書」が届きました。
期限はありませんが、すっかり出し忘れてました。ガーン。
フリーランスで税金の還付があるひとの一部は、
出さないと還付金が全額振り込まれないので気をつけましょう。
出した方が良いひと
「源泉徴収税額の納付届出書」を出すフリーランスのひとは、
①確定申告で還付金があって、
②去年の12月末に売掛金があって、
③その売掛金が源泉徴収対象だったひと
です。
具体的な例だと、
2020年12月15日にセミナーの研修をして、
2021年1月10日にその研修代が源泉徴収されて振り込まれたひとで、
確定申告したら還付金があったひとです。
逆に言うと、
・還付金がないひと
・12月末に売掛金がないひと
・12月末の売掛金はあるが源泉対象でないひと
上記のどれかひとつでも当てはまるひとは、出す必要がありません。
「源泉徴収税額の納付届出書」ってなに?
確定申告したら、還付金は1~2ヶ月後に振り込まれます。
ところが、上に書いた12月末で源泉される売掛金の分の還付金は、
届け出をしないと振り込まれません。
理由は、お金の流れを想像すると理解できます。
例えば、10万円の仕事を受けたとします。
わかりやすいように、手取りが9万円で、源泉徴収が1万円だとします。
9万円は直接受け取ります。
源泉徴収分の1万円は、支払元の会社が、税務署に納付します。
税務署は、この納付された1万円を、確定申告で還付します。
そのため、9万円がわたしに払われた=1万円が税務署に払われることが
確実にならないと、この1万円をわたしに返してくれないわけです。
だから「源泉徴収税額の納付届出書」には、
「わたしは支払元から○月○日に○円源泉徴収された報酬をもらったよ」ということを書きます。
「源泉徴収税額の納付届出書」の書き方
こういう1枚だけの簡素な書類です。
国税庁のホームページには記載例が見つからなかったので、
自宅に送られてきた記載例を貼っておきます。
【記載例】
http://aisaikaoru.com/wp-content/uploads/2021/05/kisairei.pdf
改善を望みます。
この手続については、改善を望みます。
理由はいくつかあります。
ひとつ目は、きちんとやってるひとがバカを見る可能性があるためです。
この手続き、めんどうなんです。
この手続の仕組みを理解して、正しく申告しているひとは、確定申告上級者です。
実際には、現金主義で作られた誤った支払調書を書き写している場合も含め、
現金主義で収入を数えているひとが一定の割合いると想像されます。
その場合に、給与ならともかく、報酬の場合に本当に細かく指摘しているのか。
(年間5万円以下なら報告義務もないので、そもそも指摘しようがないのでは。)
未収分なんて書かないで現金ベースで書いているひとがラクして得してないのか。
ふたつ目は、確定申告でまとめて確認できるからです。
確定申告する時=2~3月時点では、
大抵の売掛金は翌月または翌々月振込みなので、もう入金されてます。
だから、確定申告するときに記載する未納付の源泉徴収税額は
✕12月31日時点ではなく
○確定申告時点にすればこの手続きの対象者は大幅に減らせます。
仮に手続きを分けるとしても、確定申告書作成コーナーで
確定申告と一緒に届出ができるようにするべきです。
今は、せっかく電子申告をしても、この届出だけ紙で出すか、
別途e-taxソフトで電子申告するしかありません。
わけて届出すると、還付金の振込みも2回になる可能性は高いです。
納税者にとっても税務署にとっても無駄な二度手間は省くべきです。
これは私見ですが、この手続きの主な目的は、通常の売掛金ではなく、
貸倒れになりそうな売掛金や、未払給与にあるのではないかと思います。
支払いが大幅に送れている売掛金は貸倒れる可能性があります。
支払期日に支払われない給与も、不払いとなる可能性があります。
貸倒れたり、不払いになったら、源泉徴収も納付もされません。
納付されない税金を、先に還付して国が負債を負うわけにはいきません。
それは当然だと思うので、
この届け出の対象は確定申告の日において支払いがされていない債権に限定するか、
上記のように手続きを簡便化して欲しいと望みます。