住民税の非課税世帯かどうかが知りたいとたまに聞かれます。
計算方法が複雑なので、考え方をまとめておきます。
結論としては、「役場に聞いた方が早いです」なんですが、
なぜそうなのかも含めてわかりやすく説明しますね。
住んでいる市町村によって計算方法が違う
住民税は1月1日に住んでいる市町村に払います。
今は2022年1月5日なので、4日前に住んでいた市町村です。
そして、市町村ごとに計算方法が違います。
だから、一律で方法を書くことができません。
ここでは「1月1日に那覇市に住んでいたひと」を例に考えてみます。
ちなみに、引っ越したら14日以内に転入するという法律があるので、
住んでいる場所と住民票の場所が違うというのは、
基本的には認められていません。
市民税が課税されない人
那覇市のHPに、住民税が課税されないひとが載っています。
最初に、生活保護を受けている人は非課税とあります。
その下に、ごちゃごちゃと計算式があります。
ざっくり要約しますね。
住民税には、
①「均等割」というひとり5000円取られる税金
②「所得割」という「儲け」の10%取られる税金
の2種類があります。
①が非課税=0円になる場合と、②が非課税=0円になる基準が書いてあります。
通常は、①の均等割の方が条件が厳しいので、
①の5000円取られる税金がタダになれば、
そのひとは完全に非課税、みたいなイメージです。
「均等割」が課税されないひと(那覇市の場合)
那覇市を例に、均等割が課税されない条件をみてみましょう。
「扶養親族」要するに養っている配偶者や子どもがいるかで条件が変わります。
扶養親族がいない場合は、「前年の合計所得が42万円以下」です。
「前年」というのは、去年の1月1日から12月31日までのことです。
住民税は、他の税金と違い、去年の儲けに対する税金を
翌年に徴収するという特徴があります。
「2022年が非課税か知りたい」場合は、
「2021年の儲けはいくらか」で判断されるわけです。
次に、「合計所得が42万円以下」とあります。
合計所得というのは「その年の儲け」みたいなものです。
会社員やアルバイトのひとは、年収から
「給与所得控除」というサラリーマンの経費みたいなものを
ひいたのが合計所得になります。
今回は非課税の計算なので、単純に
42万円(合計所得)に55万円(給与所得控除の下限額)を足して
去年の年収が97万円以下なら非課税と言えます。
自営業やフリーランスのひとなら、
単純に「今年の事業の利益」が42万円以下というイメージです。
計算方法は所得税とほぼ同じなので、確定申告をすればわかります。
(過年度の繰越損失などを合算するまえの金額です)
扶養家族がいる場合は、計算式で計算します。
「配偶者とこども2名」を扶養しているなら、
32万円✕4名+289,000円で、合計所得が1,569,000円以下の人です。
合計所得が1,569,000円以下になる年収は、およそ2,355,000円です。
2022年現在の計算方法は以下の通りなんですが、
これを読み解く気力がわかないというひとは、
「給与所得 シュミレーション」で検索すると、自動計算サイトも出きます。
公的なサイトはないので、自己責任でご使用くださいね。
(逆算なので、計算が難しいという場合には、
「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」
というのもあります。見るとクラクラしますが…)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2021/pdf/76-84.pdf
「非課税世帯」は、家族全員が「住民税が課税されない人」
那覇市を例に、「住民税が課税されないひと」をみました。
「非課税世帯」とは、世帯のメンバー全員が非課税ということです。
「夫・妻・子2名」という世帯なら、
夫も妻も子どもも非課税という意味ですので、
それぞれ「均等割の課税されない人」なのか、
当てはめてみて、全員が非課税なら「非課税世帯」になります。
ややこしいのは、「扶養の付け替え」をすると
非課税世帯になる場合です。
15歳以下の子どもの扶養は、年末調整や確定申告では所得税が安くならないので、
深く考えずに父親等の扶養に入れているひとや、
社会保険の扶養と同じにしているひとが多いです。
そういう場合に、
「子どもの扶養をパートをしている母親に変更すると非課税世帯になる」
場合などがあり得るわけです。
その場合には、住民税の確定申告をして、扶養を付け替えます。
こういうシュミレーションを自分でするのは難しいです。
ほかにも、障害者、寡婦、ひとり親なども計算が異なります。
自分でやって悩むより、役場に「非課税世帯になりますか?」と
聞きに行くほうが確実で早いというのは、そういう意味です。