住宅資金の贈与の非課税、自分で申告する?税理士に頼む?

昨日の教育資金の話の中で、住宅資金の話が出たので、

親から住宅資金の贈与を受けた場合の非課税について、

ザックリと説明します。

住宅資金の贈与の非課税とはどんな制度か

親や祖父母が、居住用の家や土地、マンションを買う子どもに、

住宅の資金を非課税で贈与することができる制度です。

(あくまで住宅の取得資金をもらった場合であり、

 住宅ローンを肩代わりしてもらった場合は使えません)

大切なことは申告をすること!

昨日の教育資金の贈与では、特に申告の話はありませんでした。

これは申告をしないわけではなく、

銀行に教育資金贈与専用の口座を作るときに

金融機関経由で申告書を提出することになるからです。

だから、申告もれということは通常考えられません。

しかし、住宅資金贈与を受けた場合には、

お金を「もらったひと」は必ず申告が必要です。

「申告したら」➡非課税

「申告忘れたら」➡課税

です!

申告しても税金は発生しないので、

たとえば夫の扶養に入っている妻が両親から贈与を受けた場合など、

申告しなくても良いような気持ちになり、忘れるひとが多いそうです。

しかし、申告しなければ、妻に納税額がドーンと発生します。

(1500万円贈与を受けた場合の税額は、ザックリ366万円)

期限までに申告する、

これがいちばん覚えていて欲しいことです。

住宅資金贈与の非課税と、住宅ローン控除を併用して、最大限の節税を

次に覚えていてほしいことは、

「住宅ローン控除と併用できる」ことです。

頭金を親から非課税で贈与してもらい、

残りは住宅ローンを組んで10年控除をする。

そういった使い方をするひとが多いようです。

住宅資金の贈与の詳細

結構こまかい条件が多いです。

今から取得するひとを前提に、

代表的なことだけザックリと書きます。

■非課税で贈与できる金額

上限1000万円(ただし、省エネ等住宅ならば1500万円)

なお、年間110万円までの贈与は最初から課税されないので、

合計すると実質的な上限額は1110万円(1610万円)です。

■いつまで

2021年12月31日までに契約した住宅の分までです。

来年継続するかは政策しだいですが、

上限金額が下がる可能性もあります。

本来は、2021年の上限は700万円に下がる予定でしたが、

コロナで1000万のまま据え置きになった経緯もあるので。

■非課税で贈与できるひと

自分の両親と祖父母(直系尊属)。

妻の両親から夫がお金をもらうと課税なので、

妻の両親からなら妻がお金をもらう。

■贈与をされる側(お金をもらう子ども)の非課税の条件

・合計所得(給与所得や雑所得などの合計のこと)が2000万円以下。超えたら適用なし。

・贈与を受けた年の1月1日に20歳以上。未成年は適用なし。

・お金をもらった年の翌年3月15日までに、新しい住宅に居住していること、

 または引き渡しを受けていること。完成引き渡しが送れたら適用なし。

■取得する住宅の条件

・新築、増改築、マンション、中古、いずれもOK

・中古の場合には築年数や耐震基準の制限あり

・増改築の場合金額の制限あり

・床面積の制限あり

・自宅に「事務所」や「賃貸部分」がある場合、割合の制限があり

・売り手が一定の親族だとダメ

初年度の申告は自分でやる?税理士に頼む?

初年度の申告は、ふたつになる可能性が高いです。

①住宅資金贈与の贈与税の申告

②住宅ローン控除の所得税の申告

これは自分でやったほうが良いでしょうか?税理士に頼んだ方がよいでしょうか?

これは、自分でもできます。

ただこの申告は自分でやって間違えている申告が多く、

国税庁が間違いが多いよというアナウンスを出しています。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除等の適用誤りに関するお知らせ|国税庁

他人の目を通した方が良いので、

自分でやるならば、税務署の相談窓口を予約し、

あらかじめ資料なども準備していって、

その場で教えてもらいながら申告することをオススメします。

(対応者によってはあまり教えてもらえない可能性もありますが、

 最近は税務署の対応も丁寧なところが多いと思います)

税理士に頼むとそれなりにお金はかかりますが、ラクで安心です。

資産の取得のタイミングで税理士との関係を作るのであれば、

依頼するのも良いかと思います。

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