2023夏のフェイバリットアルバム

今年の春から夏は、

気分的に新譜があんまり聴き込めませんでした。

ざっと聴いて良さそうだけど、気分がのらなくてそのまま

というアルバムが大量にありました。

ちょっと残念、でもそういう時もありますよね。

そんな時期に心に響いたアルバム、少なめです。

ポール・サイモンの新譜。

トラック上は1曲入り33分ですが、7曲で構成されてます。

サイモンさんも言ってますが、信仰がテーマとなっており、

サイモン流のゴスペルアルバムとも言えます。

アルバムを通して、やりたいことをやっている雰囲気に貫かれていて、良い。

とても空気感があり、しばらく聴き込むことができる。

20世紀のレジェントで、劣化して過去の遺産を繰り返すのではなく、

新しいものを無理に取り入れるのでもなく、

いまのサイモンさんの必然的な音が鳴っていて

過去作と比べる音楽にもなっていない、すばらしいです。

ママールハンズ。

イギリスのジャズトリオです。

アンビエントで、ミニマムで、ヨーロッパ的で、

モダンなグルーヴを感じさせる響き。

UKジャズだと、ポルティコカルテットも新作がでました。

2021年のアルバムを新しい編成で再録し、

この音源をリリースしています。

こうして聴くと、UKジャズに共通する音楽的な潮流がありそうです。

おととしファラオ・サンダースとの大名盤を残した

フローティングポインツもイギリス出身です。

UKジャズの豊穣さ、層の厚さは凄まじいですね。

中心メンバーが脱退したブラックカントリーニューロードの新曲ライブ盤。

やあ!これはすばらしい快演!わくわくします。

中心メンバーが抜けて、カラフルさが増した印象。

この感じでスタジオ・アルバムも期待したいです。

ルームフルオブティースの新作

相変わらず良い。

媚びない音楽だなあと思う。

それでいてポピュラリティも確保されている。

音楽を聴くときに求めるものが充実しているから、とても満たされる。

声と言えば、ハチスノイト。

去年のアルバムですが、今年知りました。

相当良いです。

音楽的には割りと尖っていて、

おおたか静流と巻上公一を足したような感じです。

夜に聴けるし、昼でも聴けるし、集中して聴けるし、

ながら聴きもできる。

音楽の強度は高く、妥協はないが、普遍的な美しさがあるからだと思います。

ミシェル・ンデゲオチェロの新作。

かなりの快作。

ミシェルさんはいつでも高い音楽性を保ってますが、

彼女の中で消化されたジャズやソウルやアフリカン等などが、

曲と演奏とアレンジに彼女の新しい水準で昇華しており、

全体として明るく上向きで、

ブルーノートでゲストともハマっており、気持ちが良い。

常に自分の必然の音を追求していて、

全盛期とかジャンルや代表作のような言い方が似合わないひとですが、

またひとつすごいの作ったという感じ。

ブルーノ・メジャー3年ぶり3枚目のアルバム。

今もっとも好きなアーティストのひとり。

1st、2ndとあれだけの傑作が続いたので、好きすぎて、

今回はあんまりだったとしてもがっかりしないようにしようと

心構えてましたが、笑、杞憂でした。

基本的にはこれまでと同じ、超良質SSW。

今作は若干クイーンやニック・ドレイクを連想させる古いロック的な音作り。

本質的には曲の良さ、メロディの良さ、歌の良さ。

ギターもうまい。

1988年生まれでジャズギタリスト出身。

安定しているのはそのあたりのこともあるのか。

今くらいのペースでも良いので、

息の長いアーティストとして活躍してほしい。

秩父と世界で活動するギタリスト笹久保伸さんの新譜

ブラジルのドラマーとのデュオ。

全体的にジャカジャカ♪スタタタタン♪

みたいな曲調で非常に気持ちいい。

だからアルバムタイトルがカタルシスなのかしら。

2023年4月のコーチェラのことを。

マイベストアクトは、2manydjsでした。

マッシュアップのDJだからなのか、コーチェラの動画はありません。

これは近い動画です。

コーチェラでは、ストゥージーズからはじまって、

YMOにつながるんですよね。

めちゃくちゃにかっこいいうえ「タカハシ、サカモト」の名前をサンプリングしていて、

なんてかっこいいRIPなんだろう。

髪が薄くなってきたおじさんがケースからCD探しながら、

ふたりでヘッドホンを交換しながらDJしてて、

音楽愛とテクニックにノックアウトされました。

フランク・オーシャンはYouTube非公開でしたね。

これはみんなが見たかったですが、

かなり問題含みのライブではあったらしいので、しかたないですね。

なぜかフランク・オーシャンの時間に代わりに再放送していたのが、マーク・ラヴィエ。

音楽的にはやや出オチ感はありつつも、

地下プロレスのような狂気のインプロパフォーマンスが

真昼のコーチェラの大ステージでやっているのはおもしろかった。

ほかにも素晴らしいライブたくさんありました。

去年の倍の6チャンネルで、見るのは大変。

だいたい12時間経ったら消えていく感じ。

有料になってもいいから、来年も続けてほしい。

そして、今年のフジロックは配信ありませんでしたね。

有料にして配信してほしかったですが、

利益が出にくいのもわかるので、仕方ないですね。

ライブや演劇などの舞台表現の場合、

映像は舞台全体が見える引きの定点カメラ1つでも、

ライブ会場にいるのと同じ視点なので、問題ない。

カメラを何台も入れて、演奏に合わせてスイッチとかされても、

そこまで嬉しくなくて、逆に「今映ってないギタリストはどうしてる?」とかが気になる。

余計な演出などはいらないから、

舞台を見届けたい、音楽を聴きたい、というニーズがある。

素人考えですが、カメラマンと編集コストをゼロにして、

音だけ配信用にちゃんと録って、

それで利益が出せるライブ配信ってできないものだろうか。

サマソニはWOWOWで放送でしたね。

これは仕事で観られなかったのですが、

10月に内容を変えてまた放送するみたいなので、

そちらを観るかも。

WOWOWオンデマンド
これからは、スマホでもWOWOW。いつでもどこでもWOWOWだからできる厳選した映画、見ごたえのあるオリジナルドラマ、ここでしか味わえない音楽ライブや試合中継が楽しめる。

最後に、2022年のフェイバリットに迷っていれなかったのですが、

1年聴いてとても好きになっている曲。

ルミニアーズのアルバムタイトル曲。

キラキラしてないけどキラキラでちょっとヒリつくMVもよき。

染みます。