「主の祈り」わたしの祈りかた その3(完)

主の祈りシリーズの最後です。

その1、その2はこちら。

「わたしたちの日々のかてをきょうもお与えください」

「天におられるわたしたちの父よ、

 み名が聖とされますように。

 み国が来ますように。

 み心が天におこなわれるように

 地にもおこなわれますように。」

の続き、5つ目の祈りです。

1つ目の祈りで、神がくれたものについて祈ったので、

ここでは日々の糧のうち、愛についてだけを祈ります。

そうすることで、前後の祈りに大きな意味が出てきます。

では、私の祈り方です。

ひとつ前の、

「み心が天におこなわれるように 地にもおこなわれますように」

で祈った、家族や今日出会うひとに愛を持って接すること。

そのための愛が、私の中にはない。

愛情で接しようと思っても、

自分本位に振る舞ってしまい、

自分の愛情のなさに、がっかりします。

愛は神のこころであり、神から離れたわたしは、

自力で愛を作り出すことはできません。

わたしの中には、不安や怒り、プライドや怠惰など、

余分なものがたくさんつまっています。

それらを手放して、空っぽの器にならなければ、

新しいものが、愛が入るスペースがない。

自分のちからでは、それを手放すことができない。

だから、余分なものは、イエスが十字架につけてくれました。

今日、今、安心して、手放すことができますように。

そして、

わたしの中にいるイエスから、聖霊からは、

無限の愛が湧き出ています。

イエスから、今日のわたしのすべてのエネルギーとなる

無限の愛を受け取ることができるように、

今日もわたしは、イエスに目を向けます。

「わたしたちが負いめをもつ人をゆるすように わたしたちの負いめをおゆるしください」

6つ目。

4つ目とここをいちばん大切にしているのは、

自分にいちばん足りないからです。

この祈りはそのまま読むと、

「私を傷つけたあの人を許すから

 同じように私の罪もゆるして」

と言っているように思えます。

でも実際には、私は人のことが許せない。

私をいじめたあの人、

裏切ったあの人、

傷つけた、馬鹿にした、無視したあの人…を

許しますと祈ると、

嫌だ、忘れられない、ぜったいに許せない、

という気持ちにぶつかります。

この祈りは、そのような

許したくても許せない自分を知るための祈りです。

そして、私をおゆるしくださいと祈ってますが、

実際には、もうとっくにゆるされてます。

イエスが、私をゆるすために、

2000年前に十字架にかかったので、

贖罪は済んでいます。

私は産まれる前からゆるされているわけです。

だからこの祈りの意味するところは、

「人を許せない自分を、神がゆるしてくれた」

ということになります。

ここから祈りです。

ひとつ前の

「わたしたちの日々のかてをきょうもお与えください」

で、イエスに目を向けて愛を受け取りますと祈りましたが、

実際には、わたしはそのようにできません。

自分が努力して学んできた知識や、

自分が苦労した経験が正しいと思い込み、

高ぶってしまったとき、

わたしは簡単に、イエスに目を向けることをやめて、

自分だけを見てしまいます。

自分の思う自分のための正義や、

自分の思うようにならない怒りにのまれて、

イエスが見えなくなります。

そして、神に代わって、他人を裁きます。

あいつらはダメだ、わかってない、なにやってんだ、

そうやって、他人の言動や振る舞いを裁き、敵意や悪意と戦い、

平和ではなく、いさかい、争い、

小さな戦争を自分のまわりに作り出します。

自分はどこまでも正しくあり得ないのに、

自分はこんなに頑張っているのだから、正義は我にある、

そう思い込んで人を傷つけることも正当化します。

あるいは。

疲れているとき、

気分が悪いとき、

体調がわるいとき、

気持ちがゆううつなとき、

お酒に酔っているとき、

身体が痛むとき、

寝不足なとき…

そんなときに、わたしはイライラしてしまう。

自分が王様になり、自分勝手に小さいことで怒る。

怒る必要がないのに怒り、息子の気持ちを傷つけます。

心無い言葉を使い、妻の気持ちを傷つけます。

両親に対して、つらく当たります。

自分の身体と心を粗雑に扱い、自分自身を傷つけます。

そのような、古い性質、わたしの罪は、

イエスが背負って十字架につけてくれたのに、

不完全な私は簡単にそれを忘れて、

死んだはずの嫌な自分がゾンビのようによみがえります。

わたしは、どこまでも自分では救われない。

そのとき。

イエスが十字架の上から、血を流しながら、

わたしに語りかけます。

 大丈夫だよ。

 安心しなさい。

 どこまでも救われないあなただと知っていたから、

 それ以外にあなたを救う方法はなかったから、

 死ぬほどあなたが大切だから、

 あなたのために、あなたの罪を私が代わりに負った。

 私イエスの目にあなたは高価で尊い。

 私はあなたを愛している。

そう言ってくれる、それがわたしの神です。

それだけでなくイエスは、

あなたの敵を大切にしなさい、と言います。

敵を大切にしないなら、

わたしにとって、敵はいなくなって欲しい

わたしにとって、敵はできれば死んで欲しいとなり、

それは戦争の動機であり、

戦争ならば、敵もわたしも愛のない世界でほろぶからです。

そのためにも、わたしは愛されているし、

そのための方法として祈りや宗教なども与えられていますが、

それでも、敵を大切にすることができません。

宗教同士で戦争ばかり繰り返しているのは、

わたし自身を見るような思いです。

敵を大切にしたいと思えないわたしが、

敵を大切にすることができますように。

その道を歩ませてください。

わたしが自己嫌悪で落ち込んだり、

今日なにもできなかったり、

大切な人を裏切っても、

敵を大切にできなくても、

宗教になじめなくても、

神の言うことを聞かなくても、

イエスはどこまでもわたしをあきらめず、

わたしはイエスにめちゃくちゃ愛されてます。

それがわたしを救い、変えてくれる、

もっとも大切な神秘です。

今日、神にじぶんが愛されていると、

心の底から感じて生きられますように。

そして、イエスは今日も天で生きてます。

生きているイエスを悲しませるのではなく、

イエスによろこんでもらえる歩みができますように。

「わたしたちをこころみにあわせず、悪からお救いください」

7つ目、最後の祈りです。

「試みに合わせないで」というのは、

交通事故とかにあいませんように、という意味ではありません。

旧約聖書では、

人が幸せに暮らすための十箇条みたいなものを神からもらいますが、

その後に書かれているのは、

それを守れなくて人が不幸になる話が多いです。

なので、ここで言うこころみは、誘惑に近いです。

誘惑というと性的なイメージが強いですが、

それに限らず、

イライラして人に当たりたい、

自分より立派と感じる人をひがんでしまう、

人の悪口で盛り上がりたい、

人と比べて優越感にひたりたい、

人はどうでもいいけど自分だけは損ないで得したい、

都合の悪いことや面倒なことは知らないフリをしていたい、

健康に悪いとわかっているけどもっとむさぼりたい・・・

そういった自分の中の思い全般を指しています。

人は誘惑には絶対に勝てない、

という前提があるように思います。

では最後の短い祈りです。

わたしは、自分のちからでは、誘惑には勝てません。

どうか、誘惑を遠ざけてください。

わたしが自分から悪におちいってしまっても、

神のちからがはたらいたときすべてが益となる、

ということを信じています。

どうかあなたの力が、わたしに

はたらいてください。

自分のちからではなく、

神のちからを信じることができますように。

ありがとうございます。

以上です。

この祈りが最後にあることに、

イエスの優しさを感じます。

1つ目から6つ目まで、

繰り返し与えられ、まもられ、愛され、ゆるされ…

ここまで至れり尽くせりしてもらっても、

結局、私は誘惑には勝てないままで、

今日もまちがいを繰り返します。

その私を救うよ、

罰する神ではなく、

どこまでも愛し救う神だよ、

と教えてくれているわけです。

そこまで神に愛されていることで、

やっと私は死ぬまでダメでも大丈夫で、

今日も希望と平安を得ることができます。

あとがき

主の祈りは、

いい感じに目につくところにあるといいなあ、

と思ったので、じぶんでつくりました。

Church of the Pater Nosterの壁画の写真をプリントして、

写真立てにはさみました。

聖書の言葉などの額縁はキリスト教ショップに売ってて、

外国のものはかっこいいのですが、

日本のは「にんげんだもの」っぽいのが多くて苦手。

カトリック系のグッズはさすがデザインも洗練されてますが、

さいきんはプロテスタント系でも若くて素敵なデザイナー増えてきた印象です。

私の妻も、クリスチャンではないのに、

なぜかキリスト系アクセサリー作ってます。

けっこうかっこいいですよ。

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オキナワの森深く、とある架空の修道院にはいろんな国からやってきたシスター達が、きょうも愉快に「祈り、働け」を日々実践しています。❶《手しごとは、祈り》をコンセプトに、メダイや十字架などの《聖品》を使った心がウキウキするようなアクセサリーを作...