個人事業主のひとから、
「屋号付きの口座はどこで作れるの?」とよく聞かれます。
結論としては、だいたいどこの銀行でも作れます。
でも断られる場合もあると聞きます。
どういうことでしょうか?
屋号口座のニーズは高い
個人事業の屋号口座のニーズは高いと感じます。
お店の名前が前面に出る業種で、店の名前が横文字などだった場合、
振込先が名前だと「誰だろう?あってるのかな?」と不安に感じます。
記帳される振込先名も「ヤマダタロウ」のように個人名だけだと
どこからの振込なのかもわかりにくいです。
口座名は絶対に屋号がいい!という事業主も多いです。
プライベートのお金と分けなきゃ、という気持ちも高まりますし。
銀行によって対応が違う?
私も個人事業主なので、屋号付きの口座を持っています。
でも、銀行によって細かいところが違います。
「代表」などの肩書きがある銀行や、肩書きは付けられない銀行、
屋号のみで振り込みできる銀行など、バラバラです。
だから、単純に銀行によって対応が違うのだと考えていましたが、
今回調べてみて、それだけが理由ではないことがわかりました。
屋号付き口座が制限される理由
屋号付きの口座を作るのが制限される理由のひとつは、
銀行がつぶれたときのためです。
日本の銀行が破綻した場合、あずけている預金は、
1金融機関につき1000万円まで、預金保険機構が保護してくれます。
ひとつの銀行に口座が複数ある場合には、
口座をまとめて1000万円まで保護します。
この、複数の口座をまとめる作業を「名寄せ」といいます。
![](https://aisaikaoru.com/wp-content/uploads/2021/06/無題-17.png)
旧姓や、旧住所の口座があると、この名寄せが迅速にできません。
預金保険機構は名寄せをスムーズに行うために、
個人事業主の口座名義もなるべくは本人名義が良いという風なことを
伝えているという話を、銀行のひとから聞いたことがあります。
また、屋号を付けると、口座名義が長くなります。
名前だけなら、
ヤマダタロウ
屋号が入ると、
ジヨ-ト-ジムシヨグシチヤンシテンダイヒヨウヤマダタロウ
みたいに長くなります。
振込先の名義文字は、記号や伸ばす文字のなどの制限があるので、
長くなるほど間違いも多くなり、間違いがあると手続きが大変です。
それから、法人や屋号付きの口座を利用した詐欺防止のため、
警察庁からの要請で、屋号付きの口座を作る場合の確認書類が多くなっています。
だめではないのですが、確認が厳しくなったわけです。
このような事情をふまえて、
各銀行では、屋号付きの口座に関する内規を定めている可能性があります。
また、口座名義を管理するシステムも各銀行で違います。
そのため、屋号や肩書きなどに関する対応が各銀行で違っているのではないでしょうか。
基本的には作れるけれど、確認書類などの状況によっては断られる場合もあるわけです。
ほとんどの銀行で屋号付き口座は作れるが、個別対応もある
沖縄の地銀3行にも確認しましたが、
すべての銀行の全支店で、屋号付き口座は作れるそうです。
ただし「屋号のみ」で振込ができる口座は、基本的に作れないそうです。
なお、屋号のみで振込ができる口座は、たしかに存在します。
これについては、その銀行の方針、顧客の事情や銀行との関係性によるようです。
屋号振込の口座を設定することは、その銀行の内規やシステム次第では
できはするので、あとは個別対応ということなのでしょう。
ゆうちょ銀行のみ普通預金は屋号NG、ただし当座預金は屋号OK
ゆうちょ銀行は対応が異なります。
普通預金の口座名義に屋号は入れられませんが、
事業用の当座預金は屋号による開設が可能です。
![](https://aisaikaoru.com/wp-content/uploads/2021/06/無題-18-700x184.png)
振替口座(≒当座預金)には通帳もありませんし、利息も付きません。
審査はやや厳しいようです。
わたしも今度作ってみようと思うので、
その時は作り方をブログに載せます。