デイヴィットバーン 映画アメリカン・ユートピア レビュー

デヴィットバーンの舞台をスパイク・リーが映画化した

アメリカン・ユートピアを観てきたのでレビューします。

内容を説明しているので、未見の方はそれでもよければお読み願います。

ガツンと来る良いロック映画だった

ロック音楽の映画だったと思います。

そいで、ガツンと来る感じが良かったです。

見て、わーおって言って、帰って酒飲みながら

むかしのDVDを引っ張り出したり、

YouTubeを検索しながらおいしいお酒が飲める良作。

素直な感想は以上で、あとはうだうだ書きますね。

ミュージシャンの身体性を演出したライブ

まず、ライブ映画として良くできてます。

アメリカンユートピア自体は、

同名のCDが3年前くらいに出ていて、

充実作で、本作の元となるツアーをしていて、

その映像が当時からYouTubeにあがってました。

YouTubeのライブ映像は、

かっこいいけど、かなり演劇的で、

伝わりにくい感じでした。

でも映画では、字幕もあり、

(ピーター・バラカンさんが監修してます)

とてもわかりやすい作品になってます。

ライブの魅力を伝えようという熱意が

作品に結実していて、GOODです。

音楽的には12人のバンド編成で、

曲による入れ替わりはありつつも、基本は

ギター、ベース、ダンサー兼コーラス2名、そしてパーカッション7名。

ほぼ全員、楽器を背負ってます。

パーカッションのうち5名がマーチングドラムみたいな感じ。

素人の印象ですが、マーチングドラムがしたかったというより、

ドラムを背負うために、5人に分割した、みたいな感じ。

結果、ドラムを複数人で演奏してるので、

リズムがグルーブしていて気持ちが良い。

で、作品として、ライブと演劇の中間みたいな印象があります。

役者が音楽やっているというより、ミュージシャンが演技しているみたいな。

しかも、舞台装置がほぼない。

バーンが劇中で、「人間だけ残したんだ」と言ってますが、

それを言ったら、ライブハウスのライブだってそうだし、

ヒップホップでダンサーが踊りまくるライブもそうです。

このショーは、新しいと言えば新しいんですが、

なにも新しいものは映ってないという。

だから、見ていても何を見てるのかよくわかんないんですね。

ミュージカルとも書いてあったけど、

そこまで物語でもなく、演奏がメインなので、

ミュージカルではないかなと。

いろいろ考えてみたんですが。

ミュージシャンて、舞台で演奏してるけど、同時に演じてるじゃないですか。

MCしたり、おどったり、客席をあおったり。

わたしたち観客は、音楽を聞くだけじゃなくて、

ミュージシャンのそういう身体性やライブの一回性を感じて、

舞台と客席の相互作用で盛り上がるわけです。

でも、そういう身体性は、普通はメインの演奏に付随してます。

だから、ほとんど動かないみたいなライブもあります。

バーンは、そういうミュージシャンの身体性を

この舞台では演出したんじゃないかなと。

ほら、ギタリストって、顔でチョーキングするじゃないですか。

あれって見てる方も気持ちいいですよね。

ああいう顔チョーキングみたいなミュージシャンの身体性を、

演劇的に演出して、拡大したんじゃないかなと。

ミュージシャンの出ハケも含めた動きは完全に演出通りに制御されてますが、

出演者は、わかりやすく踊ったり、ノッたり、フォーメーションをして、

生でガンガン演奏するので、観客は身体性を感じながら音楽をわかりやすく聞けます。

そういった身体性の演出の一環として、楽器のシールドをなくして、

ドラムセットも邪魔だから排除した。

あくまでミュージシャンだから衣装は背広に統一しつつ、

身体性を感じさせれるために裸足を選んだ。

個人的には、そう考えるといちばんスッキリしました。

あとは、わたしが10代の頃、ロックは反抗の音楽でした。

男子は校則で坊主、女子はおかっぱ、

髪染めたら不良みたいな時代でした。

本作でバーンは、選挙に行こうとか、BLM的な

語りかけをしてます。

これは現代の情勢への反抗であり、

そういう一体感や高揚感も含めて、ロックでした。

沖縄では8月12日までの上映のようです。

音楽映画好きなら間違いない作品なので、お見逃しなく~。

わたしのフェイバリットアルバムは、here lies loveです。

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