ふるさと納税はやったほうが良いか

納税者の10人に1人がやっていると言われるふるさと納税。

やっていないひと向けに、ふるさと納税をザックリ説明します。

ふるさと納税のイメージ

わたしは、静岡市で生まれ育ち、19歳で沖縄に移り住みました。

沖縄の宜野湾市に住んでいるので、税金は

「日本国」と「沖縄県」と「宜野湾市」に払っています。

当たり前ですが、ほかの場所には払えません。

静岡が好きだったとしても、静岡には払えません。

もし、自分の育ったふるさとが、

どんどんさびれていったら、寂しいですよね。

「俺は東京で働いて東京に税金を納めているけど、

 生まれ育ったふるさとにも税金を納めて応援できたら良いのに…」

じゃあ、自分が応援したい地域にも、

税金を納められるようにしよう!

それが、ふるさと納税です。

ふるさと納税は、節税ではない。

ふるさと納税は節税ですか?と、よく質問されます。

ふるさと納税は、1円も節税になりません。

ふるさと納税をしても、税金は安くなりません。

むしろ2000円損します。

節税が目的のひとは、ふるさと納税はしなくてOKです。

では、なぜふるさと納税をするのか。

おおきく分けて、ふたつ理由があります。

ふるさと納税は、寄付だから。

ふるさと納税は、寄付です。

しかも、実質2000円しかかからないのに、

それよりも大きい金額を、

好きな地域に寄付することができます。

どういう意味でしょうか。

たとえば、12,000円ふるさと納税をしたら、

①2000円は地域へのただの寄付

②残り10,000円は、来年の税金が10,000円安くなります

つまり、ふるさと納税は、

実質的には「好きな地域への税金の前払い」です。

たとえば、私の妻の出身地の読谷村では、

12,000円ふるさと納税をすると、

読谷の海にサンゴを1株移植してくれます。

住んでいる宜野湾市に10000円納税しても、

使い道は議会が決めるので、

わたしが指定することはできません。

しかし、読谷村にふるさと納税をすれば、

その金額の一部を使って、

サンゴ礁を守る活動に貢献ができ、

感謝状まで贈られてきます。

これが、ふるさと納税の寄付的な側面です。

東日本大震災のときには、

「復興支援に使ってほしい」という思いが

ふるさと納税の活用につながったわけです。

ふるさと納税は、通販だから。

一般的なふるさと納税のイメージはこっちです。

さっきの読谷村のふるさと納税の例は、

「12,000円で、サンゴを1株移植」

でした。

それなら、

「12,000円で、紅芋タルト3箱をもらう」

「12,000円で、やちむん1個をもらう」

というのも、見返りを受ける相手が違うだけで、

仕組みは同じことですよね。

「サンゴを移植する」代わりに、

「お菓子や食器を送る」わけです。

紅芋タルトややちむんは、読谷村の特産品です。

寄附金の一部で、地域の物産が買い上げられて、

知名度が上がるなら、それも地域の支援なわけです。

だから特産品は「返礼品」、

つまり「読谷村に寄付してくれてありがとう」のお礼の品です。

でも、私たちもらう方からしたら、

「実質2000円で、特産品が買える通販」ですよね。

だからたのしくて良い制度として広がっています。

ただ、これが行き過ぎると、返礼品が

特産品とかではなく、家電やAmazonギフト券になります。

それだともう地域を応援したいという

ふるさと納税の目的が変わってますよね。

だから禁止になりました。

返礼品の額も、ふるさと納税した金額の、

3割までのものとされています。

1万円ふるさと納税すると、

最高3000円くらいのものがもらえるわけです。

ふるさと納税で、損をするばあい

こう書くと、

ふるさと納税さいこう!どんどんした方が良いね!

と思うかもしれません。

しかし、ふるさと納税は、

所得税法の寄附金控除という制度をベースにしています。

そのため、仕組みは複雑で、失敗すると損します。

損する場合をざっくり説明します。

【税金が安い場合】

ふるさと納税は、税金の前払いでした。

もし、前払いした金額に対して税金が安すぎたら、

税金から前払い分が引けません。

引けない税金は戻ってはこないので、

「2000円自己負担したつもりが、12,000円自己負担していた」

となります。

節税が成功して、税金がほとんど発生しないひとも同様です。

【ふるさと納税をしすぎた場合】

税金がある程度高くても、ふるさと納税をしすぎたら、

まったく同じことになります。

だから、ふるさと納税は、

そのひとのその年の税金に合わせて、

どれくらいするのかを計算しなければいけないわけです。

ふるさと納税の流れと注意点

ふるさと納税の実際の流れは、こんなイメージです。

具体的な手続き方法ではなく、

手続きの「順番」を書きますね。

今は2021年です。

まず、2021年が終わる前に、

自分の2021年の所得金額のおおよその見込みを立てます。

次に、所得金額の見込みから、

ふるさと納税の上限額(=自己負担が2000円で済む金額)を計算します。

上限額に合わせて、ふるさと納税をします。

これらを、すべて2021年12月末までにしなければなりません。

そして、2022年3月の確定申告でふるさと納税に関する記入をします。

確定申告しない場合には、ワンストップ特例という制度もありますが、

失敗しやすい制度なので、ちゃんと勉強する必要があります。

きちんと申告ができて、

しかも、所得の見込みがおおきく外れなければ、

税金から、ふるさと納税した金額が引かれます。

申告方法を間違えたり、

見込額が高すぎた場合には、

税金から、ふるさと納税分が、引かれません。

ふるさと納税はやったほうが良いか

もし、ふるさと納税の「順番」が今と逆で、

「確定した自分の税金を、どこに払うのか決める制度」

だったら、ほぼ100%のひとが使っているでしょう。

実際にはそうではなく、

「税金を予測して、計算をして、先にお金を払って、

 そのあと自分の税金が確定する制度」

です。

いまは、ふるさと納税のサイトで、

計算シュミレーションなども作られており、

計算はやりやすくはなってきています。

でも、ざっくりと流れを読んで、

そこまでして返礼品は欲しくないと感じるなら、

無理してやる必要はありません。

個人的には、損しても良いくらいの気分で、

1万円のふるさと納税を1回やってみることをおすすめします。

返礼品をたのしみつつ、

税金にも詳しくなれるって、いいじゃないですか。