2021年7月から9月のフェイバリットアルバム

この3ヶ月も良作の嵐でした。

特に好きなものだけ取り上げます。

リルナズエックスのアルバムが遂に出ました。

もうね、ほんと好き。

ファーストアルバムと言いつつ、

3年前のシングルも入ってますから、

ベスト・アルバムみたいなものです。

彼はポップスターです。

2010年代の終わりに登場し、2020年代は、

リルナズエックスで始まったと思い返すでしょう。

これから、コンスタントに傑作を出し続けて欲しいと切に願います。

でももし、これ1作で終わってしまっても、それでもすごいひとです。

今年の3月に出て、多方面で評判が良かった作品。

最初、ファラオ・サンダースの新作が良いと聞いて、

その時は正直あまりピンと来なかったのですが、

先日、夜中にフローティングポインツの新作と思って聴いたら、

ものすごくハマりました。

40分以上同じリフレインが続いて、

そこにファラオ・サンダースのサックスと

ロンドン交響楽団の音が被さってくる作品で、

ものがたりをめくっているような曲です。

夜に聴くと、ものすごく美しいです。

美しさの種類、ジム・オルークの

永遠の超ド名曲ユリイカを思い出しました。

人生でいちばん好きな映画のひとつですが、

曲と映画の素晴らしさが、等しく釣り合っています。

クリスシーリの新作!

もともと、カントリーのサブジャンルのブルーグラスで

超絶マンドリン奏者として登場したひと。

バンドではニッケル・クリークやパンチ・ブラザーズで

多くの名盤名演を残しています。

このひとは才能がありすぎて、

ブラッド・メルドーやヨーヨーマなどの共演アルバムも無理なく聴ける。

その才能が大爆発したのが、4年前に出た自己名義のアルバム。

当時も絶賛されました。

シンガーソングライターとしては、

ジャクソン・ブラウンやジェイムス・テイラーのように、

美しい曲を、美しい音色で、美しく歌うひとです。

4年ぶりのアルバムは、ソロ・アルバムです。

歌とマンドリンのみ。

だから地味ですが、クリスの歌声と弦の音色を

心ゆくまで味わうことができます。

良くは知らないのですが、いいです。

日本のヒップホップのすごくいいやつ。

このMV2300万回再生ですね。

どんどんはやってほしい。

誰なんだろう?という感じで聴いたんだけど、聴いたら音が良い。

NYでジャズをして、日本でロックバンドをしている

ドラマーのセカンドソロ・アルバム。

ドラムのタイム感がすごくいい。

共演者もおもしろい。

1990年のピンク・フロイドのライブだけど、

このあいだ発表された新譜です。

わたしがピンク・フロイドをリアルタイムで買ったのは、

1994年高校生の頃に出たThe Division Bellでした。

翌1995年に出たライブ盤のPulseをレーザーディスク(!)で買いました。

だから、わたしにとっては、ロジャー・ウォーターズ脱退後の、

毒気の抜けた高級AORみたいな、デヴィッド・ギルモアの

ぜんぜんブルース臭のしないギターバンドみたいな

ピンク・フロイドがオリジナルなんですね。

そういう最初の刷り込みって、

むかしのアルバムが好きになってからも変わらないです。

で、このライブ盤の良いところは、ギターバンドとしての

ピンク・フロイドの良さがコンパクトにバランス良く入っているところ。

冗長なライブ盤が多い中、このアルバムは1時間弱で、

「あなたにここにいてほしい」とかのイントロもバッサリです。

別にそれでも構わないので。笑。

「マネー」のサックスゲストがキャンディー・ダルファーで、

ジャズとレゲエの変なアレンジしてます。

「虚空のスキャット」のボーカルがオリジナル盤のひとなので、しっくり来ます。

そして、最後の曲Run Like Hellがすごく良いです。

ピンク・フロイドのライブ盤としては一応ベストなんじゃないでしょうか。

原子心母の箱根アフロディーテのDVD観てないですが、観たいですね…。

ジャズギタリストジュリアン・レイジの新作。

つい毎日かけてしまう感じです。

今回はパット・メセニーの新作のリリースもありましたが、

こちらに軍配が上がりますね。

これから秋にかけて、心にしみるのでは。

カニエ・ウェストの新作。

基本的には、前作JESUS IS KINGの流れにある感じ。

今回は、ゴスペルというより、

ゴスペル+死んだ母ちゃん+別れた元妻への想いで成り立っている感じ。

音が、ゴスペル前のリズムが強い感じではない。

だから、以前の作品と比べると印象として物足りなさはある。

キャリアのベストかと言われたら、そうではないけれど、

あんまり相対的にアルバムを聴いてもしょうがないし。

そういった音の方向性に関わらず、カニエ・ウェストの作る音楽の持つ、

感動を呼び覚ますちからは、あります。

カニエは、「そのアーティストが出す音は

魔法がかったようになんでも良く聴こえる」

みたいな時期が、とても長い。

同じことを繰り返して、作品が弱くなることもほぼない。

今回も、なんとか魔法はかかっていると思う。

スフィアン・スティーヴンスの今年出た新作2枚。

ひとつめは、亡くなったお父さんにささげたインストアルバム。

スフィアン・スティーヴンスの名作といえば、これですが、

幼少期に自分を棄てた母親が亡くなり、その想いから作られた作品です。

どこまでも美しく、哀しい、死ぬまで聴くであろうアルバム。

今回も肉親の死をテーマにしており、音に込められた感情が、

同じような色合いで、美しい音楽です。

父親への想いはインスト、でも5枚組で長い。なんかウケる。

2枚めは歌もので、レーベルメイトと共作名義です。

息が合ってて、いい感じですね。

ほかにも良作が山盛りありましたが、

あとは年末の2021年ベストアルバムですね。

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