ぼくらは毎月1週間、国家のために働いている

本を読んでいたら、古代ローマが属州に課した税金の税率が4%と書いてあった(諸説あるでしょうが)。

4%?支配下の国なのに?ずいぶん安いわ。

そういえば、今の日本の税金って、ぼくらはぜんぶでどれくらい払っているのだろうか。

ざっくりシュミレーションしてみたら、ぼくらは毎月1週間を国家に捧げていることが判明。

年収240万円(独身)の税金

あなたがサラリーマンだと仮定して。

日当は1万円。

月に20日勤務している。

月収20万円=年収は240万円だ。

話をシンプルにするために、

独身のひとり暮らしで、

生命保険などにも一切入っていないとする。

いったい、どれくらいの税金を払っているのか。

まず、もらった給料にかかる所得税。

これが年間56,000円。

240万円のうちたった5万円。

安いじゃん、と思いきや…

次に、住んでる町に払っている住民税。

これが年間112,000円。

意外と高い。

所得税は金持ちは高くなるけど、住民税は全員同じ税率だから、

儲けが少ないほど高く感じます。

それから、給料から天引される社会保険料。

社会保険料は税金じゃないよと思ったひと、正しいです。

でも、国民健康保険は保険「料」でも保険「税」でもあるし、

国民「皆」保険制度だから、実態としてはほぼ税金です。

国民年金は将来もらえるよと思ったひとも正しいです。

でも、そもそもすべての税金は年金と形は違えど「見返り」があるわけだし、

独身の若いひとからしたら、実感としては税金だと思いますよ。

というわけで、各種社会保険料がもろもろ込みで

年間367,800円。

ちなみに、同じ金額を会社が法定福利費として負担して、実際には2倍の金額を納めています。

法人税を考慮したとしても、もし社会保険料がなければ、会社は給料1割は上げられる。

それくらい、皆保険制度や年金制度には、お金がかかってます。

そして、忘れちゃいけない消費税。

今や10%ですから。

消費税は家賃のようにかからないものもあるので、

年収240万円くらいのひとの負担割合は、6.7%くらいと言われてます。

手取りで考えて、年間で払っている消費税は124,901円。

(これ以外にも、ビール買ったら酒税とか、

 自動車税にガソリン税とかありますが、

 今回は無視しましょう。)

合計はいくらになるでしょうか。

年間の税金は全部で660,701円

年収240万円のサラリーマンが1年で払う税金は660,701円

税率にすると、約27.5%です。

ローマ帝国の約7倍。

660,701円を12月で割ると、ひとつきあたり55,058円。

日当が1万円だったので、5.5日分に相当します。

あなたが毎月会社に行く、そのうちを1週間以上を国家に捧げているわけです。

実際には、子どもがいたり、保険に入ったり、住宅ローンを組んだり、

節税になる貯金をするなどして、がんばって安くするわけですが。

お金がないと、そもそも保険も入れないし、住宅ローンも組めません。

だから、かなり乱暴な概算だけど、あながち嘘でもない。

たしかに医療費は7割負担、こどもは0円だし、保育園も無償だから、

そういうもので戻ってくるという見方もあるが、それは納めた税金の使い道の話。

払っている税金でいえば、こういうことではないだろうか。

1週間分の労働と引き換えの税金の使い道、今のままでいいんですか?

たまに「税金の使い道、これでいいのか?」と言われます。

残念ですが、税理士は使い道には権限がありません。

税理士は、税金の集め方の専門家なので、

税金のかけ方や納税の方法は、主張してます。

今なら、税理士会は消費税のインボイス制度は、

めんどうだし中小企業の負担が大きいから、反対しています。

他にも、金持ちから税金を高く取って、所得の低いひとからは安く取る、

難しい言い方だと、課税の公平性や所得の再分配の観点から、

国と争っている税理士は大勢います。

税金の使い道を決めているのは、政治家です。

選挙で、わたしたちが選んで、選んだひとが使い道を決めてます。

毎月1週間はたらいたお金を払っているのだから、

こんどの選挙も足を運びます、だってもったいないですから。