このあいだ会計ソフトのfreeeのアンケートに答えたら、
羊羹が届きました。
freeeについて、税理士の観点からではなく、
いちユーザーとして感じてきたことを書いておきます。
確定申告フェスに感じた希望と共感
freeeにとても共感したのは、
このイベントを知ったときです。
確定申告をフェス=イベントにして、
みんなでたのしくやろうよ!という企画です。
わたしが税理士業界に入った10年以上前、
税金に関する税理士、税務署、会計ソフトなどの人やモノは、
良い人もいましたが、とにかく古くて、固い。
「わかりやすくしよう」という気持ちも弱く、
専門的過ぎて、ふつうのひとの感覚が失われている世界でした。
freeeは、税金に関する会社なのに、
感覚がとても「ふつう」でした。
確定申告は、苦しいし、大変。
でも、なるべくたのしくやりたいという、
ふつうのひとの気持ちを大切にしていることがわかります。
「申告は大変なものだ」
「それより正確さが大事だ」
そういう正論だけを信じていたら出てこない企画です。
会計ソフトのメーカーの機能というハード面だけではなくて、
ソフト面でのこのようなアプローチを、
税務業界の大きい会社では、初めて見ました。
しかし、2020年の確定申告フェスは
コロナ出現時期と重なりそれほど話題にならず、
2021年はコロナ禍でリモート開催。
「確定申告モンスター」と銘打って、
ゲーム感覚で確定申告をクリアするという企画をやりました。
残念ながら、2022年以降フェスは途絶えました。
意味のあるチャレンジだったと、わたしは今でも思います。
おちゃらけコンテンツと人材
もうひとつ、freeeにはすばらしい企画があります。
おふざけコンテンツです。
最初に読んだのはたぶんこれ。
読んだらわかりますが、非常にくだらないです。
わたしはこういう文章が大好物です。
制作は、オモロコのライターさんなので、
ちゃんとその道のプロが作っています。
税理士はマジメに回答しているだけですが、
ちゃんとイジられておもしろくなっています。
映画ゴーストバスターズで、
コメディアンのリック・モラニス演じる税理士は、
キモくて真面目で冴えない男性でした。
映画やドラマに「税理士」が登場したら、
だいたい「くそまじめでつまらない」という記号です。
今はYouTuber税理士などのおかげで税理士のイメージも変わりつつあります。
実際には、税理士はおもしろい変人が多いです。
この記事は、税理士を茶化してくれたさきがけとも言えます。
これもかなり以前のものです。
…これも本当にくだらない。褒めてます。
でもこれふざけてますが、
「なんでも経費で落ちる」みたいな、
よくあるあまり品のないグレーな節税を
あおるような本の内容とは真逆なんですよね。
経費を脱マジメに書いているだけなので。
私の好きなバーグハンバーグバーグの前代表のシモダさんが書いてます。
これは去年のもの。
…これはひどい。褒めてます。
でもこれ、そういうことですよね。
捨てて良いのか悪いのか、
ほんとうはみんなよくわかってない。
それは、専門家に聞いても、
なにを言ってるかよくわからない答えしか返ってこないからだったりします。
(今はこうすれば捨てられるというのは明確になっています)
これは「捨てても良いんだよ!そういうのができたよ!」という
メッセージがちゃんと?伝わるし、
GIFが好きです。
これも最近ですね。
これは個人的な趣味ですが、あまり好きではない。笑。
これらの広告は、ただふざけているわけではなく、
税金や経理への拒否反応がひどい人や、
確定申告で苦しい思いをしていてつい作業を後回しにしてしまう人、
そういう「ふつうの感覚」を、
ふざけて茶化すことで前向きにしよう!という
多くの専門家に欠けている発想を
freeeが大切にしているからだ私は捉えています。
freeeの宣伝をしたいわけではありません。
わたしは複数のソフトを使っていますし、
freeeも、他の会計ソフトと同じように、使いづらく、欠点は多いです。
飛び抜けて使いやすい会計ソフトというのは、まだ存在しません。
(決してソフト会社のせいだけではなく、
私の好みや、税法が複雑すぎるなどの理由もあります)
それなら、自分と気の合う会社のソフトを選んだほうが、
後悔しにくいし、
会社がやっていることにも共感できるし、
お金を気持ちよく払えるよね、ということです。
あと、これは完全にミーハーなんですが、
freeeにはライターの岡田悠さんが在籍してます。
数年前にバズったこの記事から旅行記なども読んでいて、
あとからfreeeの社員だと知りました。
こんなにおもしろい人がなぜ会計ソフト会社に?(すみません!)
と思ったことを覚えています。
ライターとして有名になって、本を出しても会社を辞めず、
今年freeeの本屋を始めたそうです。
なんで本屋なのかわかりませんが、
会計ソフト会社の枠にはまってなくていいなあと思います。
ネガティブなアンケートへの担当者の対応
これらのfreeeへの印象は、数年前に感じたことです。
先日、freeeが税理士事務所向けの冊子を創刊して、
事務所に送ってきました。
この手の業界向けの営業冊子やパンフは、
いっせいに大量に送られて来て、内容も似たりよったりです。
残念ながら、freeeの冊子もわたしにはピンと来ませんでした。
Webアンケートに答えると抽選で羊羹セットがもらえるとあり、
あんこが好きなので、正直にネガティブな感想を回答しました。
後日、担当者の一筆と羊羹が送られてきました。
定型文ではなく、アンケートの内容に対する個別の文章でした。
担当者の名前となぜか携帯番号もありました。
とても優秀なひとが、情熱を持って取り組んでいる感が伝わってきました。
変な会社だなあと改めて思いました(褒めてます)。
それで、freeeのことを書いてみました。
羊羹はとてもおいしかったです。
あとがき
わたしは、ダムの貯水率をチェックするのが好きです。
あまり共感してもらえないのですが、
米びつに新米がいっぱいに入ってたら安心だし嬉しいですよね?
まあそんな感じです。
8月の台風で沖縄は本当に大変でしたが、
唯一の良いことは貯水率が今年初めて100%になったことです。
満杯ですよ?
気持ちよくないですか?笑。