「支払日」に計上しても良い費用とは

経理をしたことのあるひとなら、

費用は「支払日」じゃないくて、

「発生日」に計上する、

と聞いたことがあると思います。

ところが、支払日でも良い場合があります。

原則は「発生日」に計上

費用を発生日に計上することを「発生主義」、

支払日に計上することを「現金主義」と言います。

たとえば、

今日クレジットカードで、ガソリンを入れたとします。

ガソリン代が銀行口座から引き落とされるのは、来月の10日です。

発生主義=今日(ガソリンをいれた日)計上

現金主義=来月の10日(支払日)に計上する

現金主義の方が、わかりやすくて簡単そうですが、

経理の原則は発生主義です。

売上と費用を対応させるためです。

もし、銀行の残高不足で、

カードの引き落としができなかったら、

現金主義だと会社の費用は「ゼロ円」になります。

意図的に払うタイミングをズラせば、

利益の操作もできます。

それはおかしいですよね。

支払日でもOKなもの

ざっくりとした一般論になりますが、

・家賃・駐車場代等

・保険料

・年会費

・電気代

・水道代

・電話代

などは、支払日でもOKの場合が多いです。

家賃・駐車場代、保険料や年会費などは、同額を前払いするサービスだから

家賃は前月払いが多いと思います。

前月に払った家賃は、正確には「前払金」です。

毎年定額を払う保険料も、

「今年の分」と「来年の分」が混ざっていて、

来年の分は「前払金」です。

ですが、これらについては、

継続的な契約に従って、1年以内にサービスを受け、

重要性が低く、支払いも済んでいて、

売上と直接関連がない場合に限り、

支払日で良い、ということになってます。

ということは、1年を超える保険料や家賃、

継続しない会費、

家賃が原価の不動産業などは、

支払日では計上ができないわけです。

金額的に重要性が高ければ、それもNGです。

電気代や水道代は重要性が低いから

電気代や水道代などは、

重要性が低いなら、支払日でOKです。

そもそも、1月分の電気代といっても、

厳密に1月分ではありません。

沖縄電力のHPの「電気ご使用量のお知らせ」の見本には、

ーーー

〇〇年1月分

ご利用期間:12月3日~1月4日

検針日:1月5日

振替予定日:1月15日

ーーー

と書いてあります。

「1月分」なのに、利用期間のほとんどは12月で、

しかも32日間分です。

本来の1月分は「1月1日から31日まで」の電気代なので、

1月分を計上するなら、再計算が必要です。

電気代は、一般の会社では重要性も低く、

金額もそこまで変動はありません。

ですから、支払日でも良いとなります。

ダメな例

今年は支払日、次の年は発生日というのは、NGです。

いちど決めたやり方を継続することが要件です。

支払日に払わず、

未払いになっているものを計上しないのもNGです。

当然支払日に払うという前提です。

払わないなら未払い計上です。

年間の支払い回数が11回や13回になるのもNGです。

「支払日は月末日(土日祝の場合は翌営業日)」という場合、

支払日が翌月初旬になりがちです。

これを支払日のままにすると、

年間の支払いが12ヶ月分ではなく、

11ヶ月分や13ヶ月分になります。

それでは、ただしい年間の費用にはなりません。

必要なら発生日で統一するのがオススメ

上記は、あくまで例外的に支払日でも良いですよ、です。

支払日でやると、月ごとの費用が、

どうしても凸凹しがちです。

毎月の業績をきれいに比較したいなら、

原則通り発生日でやりましょう。

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